岐阜県は日本最古のものが多く、歴史的にも古い土地と言われています。古事記に纏わる伝説、高山市位山の「天の岩戸」伝承、「天の岩戸」に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)を岩戸から引き出した手力雄命(てじからおみのこと)を由来とする岐阜市・各務原市の神社、「天の岩戸」を引き開けた時に飛び散った岩の片割れとも言われる「重ね岩戸」のある郡上市和良町の戸隠神社、また、この時肌もあらわに踊った天宇受賣命(あまのうずめりみこと)を祭る飛騨市河合町の鈿女(うずめ)神社、そしてこの神社の鳥居の下に金の鶏が埋められているという伝説等々興味深いものが多くあります。
この金の鶏は、天照大神自ら「天の岩戸」をあけさせるため、気を引くために鳴かせた「常世の長鳴鳥」でした。 「常世の長鳴鳥」は鶏の原種の特徴をもっとも色濃く残す「岐阜地鶏」の祖先として解釈されているのです。飛騨では「飛騨地鶏」・郡上では「郡上地鶏」と呼ばれ、昭和16年に天然記念物に指定されてからは「岐阜地鶏」と呼称されるようになりました。
岐阜県養鶏試験場(現畜産研究所養豚・養鶏研究部関試験地)では、「おいしい卵と鶏肉づくり」をテーマにこの「岐阜地鶏」をもとに「神代の味」の再現に取り組み、新しい肉用鶏と卵用鶏を開発。山水水明、清流長良川の源「奥美濃」の地で育てられ、大自然の恵みを受けのびのびと育つこの鶏を「奥美濃古地鶏」と命名しました。